第7回 打楽器奏者のためのアレクサンダー・テクニーク研究会 〜Timpani-音を変える際に視線がゲージに集中してしまう-編 後半〜

前編はこちら

さて、前回は足の向きを変えることで上半身が安定したものの、ゲージを凝視してしまうことに関してはあまり改善されなかったところまで書きました。
今日はその後試したことを書いていきたいと思います。
*今回も、バランスアクション方式のティンパニで、座奏で演奏していることを前提に話を進めます。

さて、今度は何を試したかと言いますと、ペダルを操作する時に「足をどう使っているか」です。

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図1
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図2

ここで、足首の動きについて少し説明したいと思います。
足首は、図1から図2のように、シーソーのように動きます。(左右にも動きますが、今回は割愛します)
ここで注意したいのは、くるぶし(足首付近にある骨が膨らんでいるところ)の「少し下」が軸となっている点です。
くるぶしは関節ではありません。
自分の足を動かして観察するとよくわかると思います。

で、私は今までこの動きでティンパニのペダルを操作していると思い込んでいたのです。
でも、これも観察するとよくわかるのですが、この動きだけでペダルを操作するのは大変厳しいです。

では実際にはどうやってペダルを操作しているのかと言いますと、脚(足首から上)が大きく関わっています。
実は音程を上げるのも下げるのも両方「(股関節を使って)膝を落とす動き」だったのです。

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図3 音程を上げる時
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図4 音程を下げる時

音程を上げる時は、図3のように、つま先側に力を伝えます。
逆に音程を下げる時は、図4のようにかかと側に力を伝えます。

もちろん、音程の微調整をする時は足首の動きも利用します。

これを確認すると、ゲージを凝視する症状がなくなりました。
これは、「自分では『こう動かしている』と思っている動き」と「実際に起こっている動き」にズレが生じていたため身体の他の部分に不都合が生じていて、そのズレを一致させることで生じていた不都合も解消させることができた、ということになります。

さて、この日取り上げた内容はまだまだありますが、また次回に回したいと思います!

投稿者: 泉 純太郎

演奏依頼、レッスン依頼受付中! 個人レッスン、グループレッスン、吹奏楽指導etc 「身体の構造」に基づいた「身体の使い方」も教えます! フリーの打楽器奏者としてオーケストラや吹奏楽を中心に活動しており、現在までに日本センチュリー交響楽団、Osaka Shion Wind Orchestra(旧称:大阪市音楽団)、関西フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団、京都フィルハーモニー室内合奏団、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、モーツァルト室内管弦楽団、エウフォニカ管弦楽団、日本ウィンド・アンサンブル『桃太郎バンド』、などのオーケストラ、吹奏楽団の演奏会に客演奏者として出演している。 アレクサンダー・テクニーク教師になるべくBodyChanceにて勉強中!

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