ソング・ブック(デイヴィッド・マスランカ)

デイヴィッド・マスランカは近年日本でも吹奏楽曲を中心に人気が出てきている作曲家です。わかりやすい旋律や楽曲構成に、時折出てくる斬新な和音が特徴です。室内楽曲も多く手がけており、これからどんどん演奏されていく作曲家ではないでしょうか。
この「ソング・ブック」はアルト・サクソフォンとマリンバのデュオのために書かれており、7つの楽章から構成された大曲です。それぞれの楽章は3~5分程度ですが、全曲を演奏すると30分程になります。どの曲も極めて難しく、演奏するのはかなり大変です。

Song Book for Alto Saxophone in E♭ and Marimba

作曲者 David Maslanka(デイヴィッド・マスランカ)

作曲年 1998年

出版年 2004年

委嘱・初演 Steven Jordheim(Saxophone)、Dane Richeson(Marimba)

出版 Carl Fischer

演奏形態 アルト・サクソフォンとマリンバの2重奏

使用打楽器 マリンバ(5オクターブ)

演奏所要時間 約30分。

録音 CDライブラリー収録未収録
Music Of David Maslanka(初演者による演奏)

以下各楽章について。

1.Song for Davy – The Old Year Is Past 「デイヴィーに捧ぐ歌」
“Davy”とは、”David”の愛称です。つまり、作曲家本人の幼いころを思い出して書かれた曲です。全く曲想の異なる3つの部分から構成されています。

2.Lost 「迷い」
突然曲想が変わる部分を多く含む曲です。音楽的処理の難しい1曲。

3.Hymm Tune with Four Variations 「賛美歌と4つの変奏」
全曲中最も明解な調性のある楽章。一見簡単なように思えるが、実は最もセンスの問われる難曲。一部マリンバパートのトレモロの指示に演奏困難な箇所がある。

4.Serious Music – in Memoriam Arthur Cohn「シリアス・ミュージック ~アーサー・コーンの想い出に」
アーサー・コーンとは、マスランカの曲を出版しているカール・フィッシャー社で現代音楽の担当をしていた人物です。その彼の死を悼んで書かれた一曲。

5.Summer Song 「サマー・ソング」
甘く涼しげな曲想を持つ楽章。非常に息の長いサックスの旋律の裏でマリンバが大きく、しかし緩やかに動きます。

6.Song for Alison 「アリソンに捧ぐ歌」
アリソンとは、マスランカの奥様のことです。マスランカは彼女のことを非常に尊敬しているそうですが、なぜこの曲想・・・?(笑)

7.Evening Song 「夕べの歌」
終楽章に相応しく、非常に激しく、溢れる情熱を感じさせる1曲。演奏者にはかなり過酷な楽章です。

(最終更新日:2018/6/1)

投稿者: 泉 純太郎

演奏依頼、レッスン依頼受付中! 個人レッスン、グループレッスン、吹奏楽指導etc 「身体の構造」に基づいた「身体の使い方」も教えます! フリーの打楽器奏者としてオーケストラや吹奏楽を中心に活動しており、現在までに日本センチュリー交響楽団、Osaka Shion Wind Orchestra(旧称:大阪市音楽団)、関西フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団、京都フィルハーモニー室内合奏団、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、モーツァルト室内管弦楽団、エウフォニカ管弦楽団、日本ウィンド・アンサンブル『桃太郎バンド』、などのオーケストラ、吹奏楽団の演奏会に客演奏者として出演している。 アレクサンダー・テクニーク教師になるべくBodyChanceにて勉強中!

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