ヴィブラフォンとマリンバのための「トッカータ」(アナス・コッペル)

上級者向け打楽器2重奏曲。マリンバもヴィブラフォンもかなりの技術を要する。
ただ、それに見合うだけの豊かな音楽があるため、よく演奏されている。

タンゴやワルツ、フーガといった様々な要素が含まれており、演奏時の凄まじい視覚効果もあいまって、成功すれば客受けは期待できる。
ただ技術を見せたいだけなら他の曲を選ぶべし。 “ヴィブラフォンとマリンバのための「トッカータ」(アナス・コッペル)” の続きを読む

ソング・ブック(デイヴィッド・マスランカ)

デイヴィッド・マスランカは近年日本でも吹奏楽曲を中心に人気が出てきている作曲家です。わかりやすい旋律や楽曲構成に、時折出てくる斬新な和音が特徴です。室内楽曲も多く手がけており、これからどんどん演奏されていく作曲家ではないでしょうか。
この「ソング・ブック」はアルト・サクソフォンとマリンバのデュオのために書かれており、7つの楽章から構成された大曲です。それぞれの楽章は3~5分程度ですが、全曲を演奏すると30分程になります。どの曲も極めて難しく、演奏するのはかなり大変です。 “ソング・ブック(デイヴィッド・マスランカ)” の続きを読む

プサッファ(ヤニス・クセナキス)

作曲者のクセナキスはルーマニアで生まれ育ち、大戦後フランスで暮らしたギリシャ人。建築が専門で、自身の曲にもそれを適応している。彼の曲は全て数学的に分析できるそうです。

「プサッファ」は紀元前6世紀ごろ存在した古代ギリシャの女流詩人の名前。この詩人は韻律を巧みにつけたそうで、音楽によってそれを表現したのがこの曲である。

尚、この曲の楽譜は通常の五線譜や音符を使用しておらず、升目に黒点を置いて演奏のタイミングを指示している。

コンクールや実際の演奏会でも取り上げられることの多い曲である。 “プサッファ(ヤニス・クセナキス)” の続きを読む

Inspirations Diabolique (Rickey Tagawa)

リッキー・タガワ氏はジュリアード音楽院でエリオット・カーターやルチアーノ・ベリオらと共に作曲を勉強しているようです。この曲以外にも打楽器作品を多く作曲しているそうですが、残念ながら資料に乏しいので確認できません。
(imslpにRick Tagawa Masanoriという作曲家のページがありますが、同一人物でしょうか・・・?)

(2019/4 追記 以前Tagawa氏の隣人だったという方から情報を頂きました。)
Tagawa氏は日系3世だそうです。おそらく漢字表記は「田川」
Tagawa氏のweb site↓
http://www.72note.com/
インデックスからのリンクはありませんが、こちらのページに少しだけInspirations Diaboliqueの情報が載っています。
(追記終わり)

Inspirations Diaboliqueは、「悪魔の霊感」「悪魔の肖像」「悪魔の印象」など訳されますが、一般的に流布した邦題は無いようです。 “Inspirations Diabolique (Rickey Tagawa)” の続きを読む

カタミヤ(エマニュエル・セジョルネ)

ルクセンブルク国際打楽器コンクール1995の課題曲として作曲された後、優勝者(神谷百子氏、Katarzyna Mycka氏 )に贈られた曲。

作曲者のセジョルネ自身が打楽器、マリンバ奏者なので、非常にマリンバらしい音楽である。 “カタミヤ(エマニュエル・セジョルネ)” の続きを読む